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レポートグラフ

GenieATMのレポートページで表示するグラフには 4種類あります。

  • 折れ線グラフ
  • 積み上げグラフ
  • 棒グラフ
  • 円グラフ

折れ線グラフと積み上げグラフは,標準レポートとルールベースレポートにおけるもっとも標準的なフォーマットで,トラフィックの時系列の推移を見るのに適しています。

サブネットワーク比較レポート

プロットの粒度は,以下のように表示期間によって自動的に決まります。

表示期間 プロットの粒度
表示期間 ≦ 24時間 5分
24時間 < 表示期間 ≦ 7日 30分
7日 < 表示期間 ≦ 3か月 2時間
3か月 < 表示期間 1日

出力に「CSVファイルに保存」を指定してダウンロードしたときのファイルにも同じルールが適用されます。

また,棒グラフと円グラフは,表示期間中の積算を秒平均のトラフィックに換算した数値で表示します。これは,グラフの下に表示されるTopNテーブル(平均値)をグラフ化したものです。

一方,短時間のトラフィックの傾向を見るためのスナップショットでは,表示形式は円グラフのみとなっています。

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レポートグラフ作成時の集計時間範囲

レポートグラフ作成時の集計時間範囲

ここでは,レポートグラフ作成時にトラフィックを集計する時間範囲についてご説明します。

GenieATMのトラフィックレポートは,主にフローレコードとSNMPで取得したトラフィックが元データになります。

フローレコードはルータから随時送られてきており,コレクタへの到着時刻に基づいて集計されます。30分単位のレポートであれば,0分0秒~29分59秒に届いたフローを集計して0分時点のプロット値を算出し,30分0秒~59分59秒のフローで30分時点のプロット値を算出します。同様に,5分単位のレポートは,例えば13時30分0秒~13時34分59秒のフローを集計して13時30分の値をプロットします。

一方,SNMPベースのレポートは,5分ごとの累積トラフィック値の取得に基づいて算出されます。取得は,毎時1分,6分,…56分に行われ,例えば13時31分に取得した値は,13時26分に取得した値からの増分を取ることで5分間のトラフィックを算出し,13時30分時点のトラフィックとしてプロットします。

Report_Graph

このように,フローベースとSNMPベースで同じ時刻のプロットでも集計範囲が異なりますので注意が必要です。

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レポートグラフ

ネットワーク境界とは

GenieATMでホームネットワークやサブネットワークを定義する際は,通常ネットワーク境界も合わせて定義します。これにより,あるトラフィックが経由した複数のルータがフローを生成した場合に,フローコレクタがそれらのフローレコードを別々のトラフィックとして計上してしまう「ダブルカウント問題」を防ぐことができます。

下図のようにインタネットから4台のルータを経由してトラフィックがサブネットワークに届いた場合,すべてのルータがフローを生成する設定であればコレクタは4つのフローレコードを受け取ることになります。一般的にダブルカウントを避けるには,名寄せにより同一トラフィックを表すフローレコードを特定し,重複分を消し込む必要がありますが,非常に複雑な処理を要します。

インターネットから流入するトラフィック

しかし,例えばインターネット-ホームネットワーク間のトラフィックのみに着目したレポートを作成するのであれば,ネットワーク境界を定義することでダブルカウントを避けることができます。下図のように2つのルータR1,R2のインターネットに接するインターフェイスを境界と定めると,インターネット-ホームネットワーク間のトラフィックは,これらのインターフェイスを一度だけ通過します。したがって,そのときに発生するフローレコードのみを集計すれば正しいトラフィックレポートを作ることができます。

インターネット境界の定義

この例で,計上されるのはR1が生成するフローレコードのみです。トラフィックはR2も通りますが,境界インターフェイスは通過しないためR2のフローレコードは対象となりません。

同様にサブネットワークについても境界を設定することで,インターネットからのトラフィックもサブネットワーク間のトラフィックも正確に算出することができます。以下の例では,真ん中のサブネットワークの境界を定義することにより,他のサブネットワークからのトラフィックも,インターネットからのトラフィックも重複なくカウントすることができます。
サブネットワーク境界の定義

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スコープとは

レポート内のパーセンタイル値

バージョン5.6.2より,いくつかのレポートでパーセンタイル(Percentile)値が表示されるようになりました。ここでは,GenieATMに実装されているパーセンタイル値の仕様をご説明します。

一般的にPパーセンタイルとは,低い方から数えてP%に相当する値と定義されます。例えば,25個の値に対する95パーセンタイル値は,昇順に並び替えた値をv1~v25とするとv24近辺の値になります。しかし,様々な解釈の仕方があり,厳密な定義は定まっていないようです。

ここでは,よく知られる2つの定義をご説明します。GenieATMはこのうち2番目の考え方に基づく方式を採用しています。

一つ目は,測定された値の中からパーセンタイル値を選択する方式です。各値が0%から100%までの一定の範囲を占めると仮定し,Pパーセントに最も近い値を採用します(nearest rank)。25個の値の場合,最初の値v1が0%から4%までを,2つ目の値v2が4%から8%までを,最後のv25が96%から100%を占めることになります。このとき,95パーセンタイル値は24番目の値v24となります。

パーセンタイルの概念1

ただし,40パーセンタイル値はv10ではなくv11となります。これは,英語での記述
A percentile (or a centile) is a measure used in statistics indicating the value below which a given percentage of observations in a group of observations fall.
となっていることからも分かるように,ちょうど40%までを占める値は40パーセンタイル値にはなれないからです。

もう一方の方式は,データは無数の値の中から取得されたサンプルに過ぎないという想定に基づきます。データは,特定のパーセントにおける値を表し,データが取得できていないところの値は,線形補完によって隣接する値から算出します。

パーセンタイルの概念2

上記の例では,v1からv25までの実測データが,それぞれ2%,6%・・・,94%,98%に位置する値だとみなされます。そのため,例えば94パーセンタイル値はv24が該当しますが,狭間に位置する95パーセンタイル値は隣接するv24とv25を距離に応じて按分した値,つまり(3v24+v25)/4となります。

一般にデータの数をN,データ列をvi (i = 1~N)とした場合,Pパーセンタイル値がviとvi+1の間に位置することがわかっているならば,Pパーセンタイル値は次の式によって求められます。

P-percentil = (vi+1 + vi)/2 + (NP/100 – i)(vi+1 – vi)

GenieATMでは,この概念に基づいてパーセンタイル値を算出します。

なお,デフォルトではレポートには95パーセンタイル値が表示されますが,

システム管理 > プリファレンス > レポート

の「詳細レポートのパーセンタイル値」から設定を変更することができます。