このトピックでは,GenieATMのBGPの仕様をご説明します。GenieATM ISP版は,AS経路分析レポート作成時に参照する経路テーブルの取得とDDoS攻撃の緩和(Mitigation)のための経路注入という2つの機能ためにBGPピアを確立しますが,BGPの仕様はほぼ共通です。
ピアの確立
GenieATMは対向ルータからのOPENメッセージを受け付けません。BGPのピアは常にGenieATM側から開始されることになります。
タイマー設定
GenieATMは以下のタイマー設定でBGPピアのネゴシエーションをします。
- Holdtime: 360秒
- Keepalive間隔: 120秒
対向側がより短いタイマー値を提示した場合はプロトコルに従って短い方に合わせます。また,Keepalive間隔は明示的にOPENメッセージには含まれませんが,Holdtimeの3分の1となります。
マルチホップ対応
GenieATMは,iBGP,eBGPに関わらずデフォルトでマルチホップに対応しています。
一般的にはeBGP接続は外部ASとの境界ルータにおいて使用されるためTTLは1に設定されます。しかし,GenieATMが境界ルータの役割を担うことはなく,GenieATMとの接続においてeBGPが選択されるのは,直接BGPピアを張っていないルータと経路情報をやり取りするため(iBGPでは受信した経路はフォワードされない)なので,このような仕様になっています。
設定が有効になるタイミング
AS経路分析用のBGPピアはコレクターから張られるため,GUIで行った設定を有効にするためにディスパッチを行う必要があります。一方,DDoS攻撃の緩和用のBGPピアはコントローラから張られるため,GUI設定直後に有効になります。詳しくは構成のディスパッチとはを参照してください。